2013年度、最優秀作品の講評

審査・講評 JPS会員 矢部志朗 氏

最優秀作品

「水中魚影」  井関 一

 

山の水族館でのひとコマ、群泳する魚を見上げて観察出来る意外性が受けて、昨年は多くの観光客が訪れた場所です、ライトに浮かぶ魚の配列が形よく切り取られています、右に配した人物がスマホを構えており、その画面の中には魚が映し出されています。まさに現代のスマホ社会を象徴する作品ともいえます。

写真はその時代の文化や生活を鮮明に記録する道具でもありますが、瞬時に画面構成しながら作画した井関さんの力量が感じられます。

優秀作品       

「たそがれ時」  吉仲 功

 

赤く染まるたそがれのとき、シュルエットに浮かぶ人たちの動作が変化に富み魅力ある作品になっています。特に印象的なのが二本の針葉樹を入れたことで、作品がよりドラマチックに仕上がりました。主役と脇役をしっかり表現した作品で、上位作品と遜色ない秀作です。

優秀作品

「春の訪れ」  西島 啓喜 

本州などでは正月用の花として親しまれている花です。大きな福寿草の株から一斉に開花した花びらを、被写体の真上から撮ることで、広がりと勢いのある作品になりました。広角レンズを使うことで大地の生命力も感じさせてくれます。

優秀作品

「ひ孫」   清水 孝

 

確か、「孫」と言う歌謡曲があったような気がしますが、その孫さんを抱きかかえる手に刻まれた深いしわの中に、幾多の様々な人生の機微が刻まれていることを感じさせます。卵のように可愛いお孫さんと、前面に強く表現した老人の手の対比が、この作者の深い洞察力を感じさせる作品になっています。モノクロ調仕上げで単なる記念写真から脱しました。